信濃町古海どんど焼き2021

dondoyaki-furumi

信濃町では各地で毎年1月15日の小正月(こしょうがつ)にどんど焼きが行わています。
畑や田んぼなど空いたスペースを利用して正月飾りや、子どもたちの書き初め、だるま、などを焼いて「無業息災」「健康祈願」等を願う行事で、地元の人達が集まります。

 

信濃町の各地でも本来は1月15日と決められて行われていましたが、昔ながらの15日という取り決めでは平日にあたる事も多く、参加しにくい方も増えていく中で、1月の3連休に行っている地域や、本来は夜7時頃行うのが基本の中ですが、人が集まりやすい昼間の休日に行う地域などもでてきており、少しずつ現代の状況に合わせて「どんど焼き」が行われるようになってきています。

 

その中でも「古海」という地区では、2021年現在、今でも毎年「1月15日」にどんど焼きが行われています。
信濃町古海は100軒程度の世帯ですが、細かい地区毎に区切り、6箇所で「どんど焼き」が行われており、一番少ない地域では数軒の家庭が集まりどんど焼きを行う。というところもあります。
※古くは8か所で行われていたが、人口減少による合併などにより開催箇所が減少している。

 

都会では殆ど見られなくなってきてしまった行事かもしれませんが、田舎ではこういった行事が今でも行われており、集まった人たちの交流の場ともなっています。
dondoyaki-furumi1

 

私もこの信濃町に移住してきて初めて「どんど焼き」に参加しました。
地元のまだ顔を合わせていない多くの方と交流することができる素晴らしいタイミングになりました。私の移住した信濃町古海という地区は高齢化が進み、若者が少ない農村集落です。よって、外から若い人がくるとすぐに噂になりやすい。ということもあり、おじいさん、おばあさん達からは興味を持たれる。という事なんだと思います。

 

ただ、この地域は以前よりも少しずつですが、私のような移住者が増えており、人口が減って空き家が増える方向ではあるものの、「移住者」という人に向けての差別や生きにくさ、生活しにくさ。というのは全く感じることがなく、迎え入れてくれる方が殆どと思える地域です。

 

今回の行事でも、この地域では「お餅」をどんど焼きで焼いて食べる。という風習があり、ご家庭で自分で作られた。というお餅を分けていただき、お餅を食べて地元の方と交流することができました。また、神社で奉納された日本酒をもってきている方もおり、私は車の都合上飲めませんでしたが、実際にお酒をいただくこともできました。
dondoyaki-shinanomachi

 

古海どんど焼き(道陸神焼き どうろくじんやき)の歴史と文化背景

古海のどんど焼きは「道陸神(どうろくじん)」と言って毎年1月15日に行われてきた。
前日の14日に茅(かや)、藁(わら)、豆柄(まめがら)、粗朶(そだ)などを集落の人たちがもちより、楢(なら)の立木を2本立てるしきたりであった。それぞれを爺と婆として15日の夜に焼く。とくには書初めを燃やし、その紙に火がついても燃えながら高く登って行くのがよいとされ、残った火で餅を食べると風邪をひかないという風習があった。現在2021年でも殆ど変わらなぬ儀式として残されている。なお、日本全国「どんど焼き」という風習は存在しているが、この古海では「村の悪霊を打ち払う行事」として現在も続いている。今後もこういった昔ながらの行事や風習、文化を守り日本の田舎にある生活を守っていきたい。


トップへ戻る